レッスンが終わったあと、生徒にフィードバックを送ろうとして手が止まる。「今日もよくがんばりましたね」で終わらせるのは味気ないし、かといって毎回ゼロから文章を考えるのは時間がかかる。英語で書くか日本語で書くかでも迷う——オンライン日本語教師なら、そんな経験があると思います。
フィードバックは、生徒が「この先生はちゃんと見てくれている」と感じる大切な接点です。ただ、うまく書こうとするほど時間がかかり、結局続かなくなってしまいがちです。
この記事では、日本語教師がレッスン後のフィードバックを無理なく書けるように、基本の型と、場面別にそのまま使える日本語・英語の例文をまとめました。〇〇の部分を生徒や内容に合わせて書き換えて使ってください。
良いフィードバックは「3つの要素」でできている
フィードバックに書くことは、次の3つに絞るとまとまりやすくなります。
- できたこと(Good):今日のレッスンで上達したこと、うまく使えた表現
- 課題(Next step):次に意識してほしいこと。1〜2個に絞る
- 次回の予定(Plan):次のレッスンで何をするか、宿題があればその案内
この順番には理由があります。最初に「できたこと」を伝えることで、生徒は課題の部分も前向きに受け取りやすくなります。そして最後に次回の予定を書くことで、「続けた先」がイメージできるようになります。
基本の型(日本語)
〇〇さん、今日もおつかれさまでした! 今日は〇〇の練習をしました。〇〇がとても自然に言えるようになりましたね。 次は〇〇を意識してみましょう。 次回は〇〇をやる予定です。宿題は〇〇です。またお会いできるのを楽しみにしています。
基本の型(英語)
Great job today, 〇〇! Today we practiced 〇〇. You used 〇〇 very naturally. Next time, let's focus on 〇〇. In our next lesson, we'll work on 〇〇. Your homework is 〇〇. See you next time!
場面別:そのまま使える例文集
1. できたことをほめる
ほめるときは「上手でした」だけでなく、何が・どう良かったかを具体的に書くのがコツです。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 今日は「〜てもいいですか」を使って、自分から質問できましたね。 | You asked questions on your own using "〜てもいいですか" today. |
| 先週より、話すスピードがずいぶん自然になりました。 | Your speaking pace sounds much more natural than last week. |
| 新しく覚えた単語を、会話の中ですぐに使えていたのがすばらしかったです。 | It was great that you used the new words right away in conversation. |
| 敬語と普通の言い方の使い分けが、だんだんできるようになってきました。 | You're getting better at switching between polite and casual Japanese. |
| 発音、特に長い音(例:おばあさん)がとてもきれいでした。 | Your pronunciation, especially long vowels like おばあさん, was very clear. |
2. 課題を伝える
課題は、否定的な言い方を避けて「次はここを意識しよう」という前向きな形で伝えます。数は1〜2個に絞りましょう。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 「は」と「が」の使い分けは、次回もう少し練習しましょう。 | Let's practice the difference between "は" and "が" a little more next time. |
| 過去形の「〜ました」が、ときどき「〜ます」になっていました。言う前に一度意識してみてください。 | Sometimes "〜ました" became "〜ます." Try to think about the tense before you speak. |
| 文が長くなると助詞が抜けやすいので、短い文で区切って話してみましょう。 | Particles tend to drop in longer sentences, so try speaking in shorter sentences. |
| 聞き取りはよくできています。次は、答えるときにもう一文付け足すことにチャレンジしてみましょう。 | Your listening is great. Next, try adding one more sentence when you answer. |
3. 次回の予定を伝える
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 次回は、今日の表現を使ってお店で注文するロールプレイをします。 | Next time, we'll do a role-play ordering at a shop using today's expressions. |
| 次回は、て形の続きとして「〜ています」を勉強します。 | In our next lesson, we'll continue with て-form and learn "〜ています." |
| 次回は、面接でよく聞かれる質問に答える練習をしましょう。 | Next time, let's practice answering common interview questions. |
4. 宿題を案内する
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 宿題は、今日の単語を使った文を3つ作ることです。次回いっしょに確認しましょう。 | For homework, please write three sentences using today's words. We'll check them together next time. |
| 今日の会話例を声に出して2回読んでみてください。 | Please read today's conversation example out loud twice. |
| 宿題のクイズを送ったので、時間があるときに解いてみてください。 | I've sent you a homework quiz. Please try it when you have time. |
5. トライアルレッスンのあと
トライアル後のフィードバックは、継続を考えている生徒にとって大切な判断材料になります。目的と、これからの道筋を必ず入れましょう。
〇〇さん、今日はトライアルレッスンを受けてくださってありがとうございました。 「〇〇のために日本語を話せるようになりたい」という目標、とてもすてきだと思います。 今日の自己紹介はとてもスムーズでした。これからは〇〇を中心に練習していくと、目標に近づけると思います。 もし続けていただけるなら、最初の数回は〇〇→〇〇→〇〇の順で進める予定です。
Thank you for taking a trial lesson with me today, 〇〇. Your goal of speaking Japanese for 〇〇 is wonderful. Your self-introduction was very smooth. If we focus on 〇〇 from here, I think you'll get closer to your goal. If you decide to continue, I'm planning to cover 〇〇, then 〇〇, then 〇〇 in the first few lessons.
トライアル後のフォローの考え方はトライアルレッスンのあと、生徒が継続してくれないのはなぜ?で詳しく書いています。
6. 初級の生徒向け(やさしい日本語)
初級の生徒には、ひらがな中心・短い文で書き、必要に応じて英訳を添えます。
きょうは よく がんばりましたね! 「〜が すきです」が じょうずに いえました。 つぎは 「〜が すきじゃないです」も れんしゅうしましょう。 (You did a great job today! You said "〜が すきです" very well. Next time, let's practice "〜が すきじゃないです" too.)
7. 久しぶりのレッスン・お休み明け
〇〇さん、久しぶりにお話しできてうれしかったです! 少し間があいても、〇〇はしっかり覚えていましたね。 まずは今日の復習を中心に、少しずつペースを戻していきましょう。
It was great to see you again after a while, 〇〇! Even after the break, you still remembered 〇〇 well. Let's start by reviewing today's lesson and get back into the rhythm step by step.
8. 子どもの生徒の保護者向け
子どもの生徒の場合、保護者が読むことも多いので、「何をしたか」「どんな様子だったか」を具体的に伝えます。
本日もありがとうございました。 今日はひらがなの「か行」を練習しました。最初は「き」と「さ」を迷っていましたが、最後には自分で書けるようになりました。集中して最後までがんばっていました。 おうちでは、今日のカードを使って一日一回読んでみてください。
Thank you for today's lesson. We practiced the か-row of hiragana. At first, 〇〇 mixed up き and さ, but by the end, they could write them on their own. They stayed focused until the end. At home, please have them read today's cards once a day.
避けたいフィードバックの書き方
| 避けたい書き方 | 理由 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| 「よくできました」だけで終わる | 何が良かったのかわからず、上達を実感しにくい | 「〇〇が自然に言えるようになりました」 |
| 間違いをすべて列挙する | 生徒が落ち込み、何から直せばいいかわからない | 課題は1〜2個に絞る |
| 「〜がダメでした」と否定形で書く | 生徒の気持ちが下がりやすい | 「次は〜を意識してみましょう」 |
| 生徒のレベルに合わない難しい日本語で書く | 内容が伝わらない | 初級はひらがな中心+英訳 |
| 毎回同じ文面のコピペ | 「ちゃんと見てもらえていない」と感じさせる | その日の具体的なエピソードを一つ入れる |
フィードバックを続けるためのコツ
例文があっても、毎回フィードバックを書くのは手間がかかります。続けるためのコツを3つ挙げておきます。
- レッスン直後に書く:時間がたつほど記憶が薄れ、書くのに時間がかかります。
- レッスン中にメモを取る:「できたこと」「間違えた表現」をその場で一言メモしておくと、あとで書くのが一気に楽になります。
- 記録とフィードバックをセットにする:講師用の記録と生徒向けのフィードバックを同じ場所で管理すると、次回の準備にもそのまま使えます。記録の項目は日本語教師のレッスン記録テンプレート|そのまま使える項目例と書き方にまとめています。
私自身、Preplyで12人以上の生徒を教える中で、以前はレッスン後にNotionに要約を書いて単語を整理していました。丁寧に書こうとするほど時間がかかり、生徒が増えると負担になっていったのが正直なところです。
TutorHubなら、フィードバックの下書きをAIが作成
TutorHubの「AI学習記録」では、レッスンのチャットログやメモを貼り付けるだけで、その生徒の過去の記録を踏まえて、次の3つをAIが作成します。
- 今回の要約
- 生徒へのフィードバック
- 次回に向けて
この記事で紹介した「できたこと・課題・次回の予定」の流れに近い形で、毎回の下書きがすぐに手に入ります。生成後は自由に編集できるので、例文集の言い回しを足したり、その日のエピソードを加えたりして、自分らしい文章に仕上げられます。
フィードバックは、生徒の翻訳言語にワンクリックで翻訳できます。英語で書くか日本語で書くか迷う必要がなく、初級の生徒にもしっかり内容が伝わります。学んだ単語も自動で抽出されるので、単語リストを別に作る手間もありません。
作成した記録やフィードバックは、ログイン不要の生徒専用ページで生徒が見返せます(講師専用メモは表示されません)。生徒への共有は、利用しているプラットフォームの規約の範囲で行ってください。
まとめ
フィードバックは「できたこと」「課題」「次回の予定」の3つに絞り、具体的な一言を入れるだけで、ぐっと伝わりやすくなります。この記事の例文をベースに、生徒ごとに少しずつ書き換えて使ってみてください。
毎回のフィードバックをもっと楽に続けたい方は、TutorHubの無料プランで試してみてください。生徒3名まではカード登録なしで使えます。
