ChatGPTを教材づくりに使ってみたものの、「出てきた例文が難しすぎる」「思っていた形式と違う」「毎回どう頼めばいいか考えるのが面倒」と感じている日本語教師は多いのではないでしょうか。
AIの出力の質は、頼み方(プロンプト)でかなり変わります。AIをレッスンのどの場面で使うかという全体像は、AIを活用したオンライン日本語レッスンの始め方|準備・授業・レッスン後の使い分けで紹介しました。この記事では、そこから一歩進めて、日本語教師がそのままコピーして使えるプロンプト例を12個まとめます。ChatGPT以外の対話型AIでも、基本的な考え方は同じです。
うまく頼むための「基本の型」
プロンプトは、次の5つの要素を入れると、ぐっと狙いどおりの出力に近づきます。
- 役割:AIに「日本語教師として」など立場を伝える
- 生徒の情報:レベル、目的、興味、母語や翻訳言語
- 作ってほしいもの:例文、会話、問題など
- 条件:数、文の長さ、使う文法、ふりがなの有無
- 出力の形:表、箇条書き、番号つきなど
これを型にすると、次のようになります。
あなたは経験のある日本語教師です。
次の生徒のために、【作ってほしいもの】を作ってください。
・レベル:【例:JLPT N4程度/初級】
・目的:【例:職場で同僚と話せるようになりたい】
・興味:【例:料理、サッカー】
・翻訳言語:【例:英語】
条件:
・【例:「〜たことがあります」を使う】
・【例:漢字にはふりがなをつける】
・【例:5つ作る】
出力の形:【例:日本語/ふりがな/英訳の表にする】
以下のプロンプト例も、この型をもとにしています。【 】の部分を生徒に合わせて書き換えて使ってください。
レッスン準備に使えるプロンプト
1. レッスンプランを作る
あなたは経験のある日本語教師です。
【初級】の生徒向けに、【50分】のマンツーマンのオンラインレッスンのプランを作ってください。
テーマは【レストランでの注文】、ゴールは「【料理を注文して、おすすめを聞くことができる】」です。
導入・インプット・練習・アウトプット・ふりかえりに分けて、それぞれの時間配分と内容を表にしてください。
2. レベルに合わせた例文を作る
【JLPT N4程度】の生徒向けに、「【〜てもいいですか】」を使った例文を【5つ】作ってください。
生徒は【カナダのカフェで働いている】ので、その場面で使える例文にしてください。
漢字にはふりがなをつけて、それぞれに【英訳】を添えてください。
3. 文章をやさしい日本語に書き換える
次の文章を、【初級】の日本語学習者が読めるように、やさしい日本語に書き換えてください。
・1文を短くする
・難しい語彙は、やさしい言葉に言い換える
・意味は変えない
書き換えたあと、言い換えた語彙を「元の言葉 → 言い換え」の一覧にしてください。
【ここに文章を貼る】
4. 会話例・ロールプレイの台本を作る
【中級】の生徒向けに、【職場で上司に休みの相談をする】場面の会話例を作ってください。
・登場人物は【生徒(社員)】と【上司】
・6〜8往復
・ていねい語と敬語を自然に使う
会話のあとに、ロールプレイで使えるように、生徒が言うセリフだけを空欄にしたバージョンも作ってください。
5. 単語リストを作る
【旅行】がテーマのレッスンで使う単語リストを作ってください。
対象は【初級】の生徒で、【10語】選んでください。
「単語/読み方(ひらがな)/【英訳】/短い例文」の表にしてください。
例文は、この単語リストの語彙と基本的な文法だけで作ってください。
6. 穴埋め問題を作る
次の表現を使って、【初級】の生徒向けの穴埋め問題を【5問】作ってください。
表現:【〜をください、〜はありますか、〜にします】
・問題文はひらがな中心で短くする
・解答と、短い解説を最後にまとめる
7. 4択クイズを作る
今日のレッスンで学んだ次の単語・表現を使って、復習用の4択クイズを【5問】作ってください。
【ここに単語・表現を貼る】
・対象は【初級】の生徒
・問題文は短く、ひらがな多めにする
・まちがいの選択肢も、ありそうなものにする
・最後に正解の一覧をつける
授業中・添削に使えるプロンプト
8. 作文の添削ポイントを整理する
次の作文は、【初級】の日本語学習者が書いたものです。
まちがいを、「助詞」「動詞の活用」「語彙」「表記」に分けて表にしてください。
それぞれ「元の文/直した文/短い理由」を書いてください。
最後に、よくできている点も2つ挙げてください。
【ここに作文を貼る】
9. 似ている表現の違いを説明する
【初級】の学習者に、「【は】」と「【が】」の違いを説明したいです。
・専門用語をなるべく使わない
・違いが分かる短い例文のペアを3組
・【英語】での簡単な補足
の3つを含めてください。
10. 会話のトピックと質問リストを作る
【中級】の生徒とのフリートーク用に、【スポーツ】をテーマにした質問を【10個】作ってください。
・やさしい質問から、意見を言う質問へ順番に並べる
・それぞれの質問に、生徒が答えるときに使えそうな表現を1つ添える
レッスン後に使えるプロンプト
11. レッスン記録とフィードバックを作る
次は今日のオンライン日本語レッスンのメモです。
このメモをもとに、
1. 今日のレッスンの要約(3行)
2. 生徒へのフィードバック(よかった点・課題を含めて、やさしい日本語で)
3. 次回に向けての提案
を作ってください。
【ここにメモやチャットログを貼る】
12. フィードバックを生徒の言語に翻訳する
次の日本語のフィードバックを、【英語】に翻訳してください。
・日本語の原文の下に、翻訳を添える形で出力する
・やさしく、励ます雰囲気を保つ
・日本語の例文やフレーズは、翻訳せずにそのまま残す
【ここにフィードバックを貼る】
AIを使うときに気をつけたいこと
- 日本語は必ず講師がチェックする:AIの日本語は自然に見えても、ふりがなの誤りや、場面に合わない敬語が混ざることがあります。生徒に渡す前に、必ず確認しましょう。
- 生徒の個人情報は入れない:本名や連絡先など、教材づくりに必要のない情報は入力しないようにしましょう。
- 出力が合わないときは、条件を足す:「もっと短く」「ひらがなを増やして」「例文を職場の場面に」など、追加でお願いすると調整できます。
AIで作った素材を、1つの教材としてまとめる手順は、日本語教師の教材の作り方|自作教材を7ステップで作る手順とレベル別のコツで紹介しています。
TutorHubなら、毎回プロンプトを書かなくていい
プロンプトの型があっても、生徒ごとに「レベルは〜、目的は〜、前回は〜を学んだ」と毎回書き直すのは手間がかかります。特に、過去のレッスン内容を踏まえたお願いは、記録を探して貼り付けるだけでもひと仕事です。
TutorHubは、生徒の情報と過去の記録をもとに、AIが教材や記録を作るツールです。
- 生徒情報を登録しておける:名前・レベル・出身国・翻訳言語・目標を1画面で管理。AIへの「生徒の情報」を毎回書く必要がありません。
- AI学習記録:チャットログやメモを貼るだけで、その生徒の過去の記録を踏まえた「今回の要約」「生徒へのフィードバック」「次回に向けて」を作成。学んだ単語も自動で抽出され、フィードバックは生徒の翻訳言語にワンクリックで翻訳できます。
- オーダーメイド教材:レベル・目的・テーマを選ぶと、フレーズ練習、会話例、ロールプレイ、穴埋め問題などを含む、その生徒専用の教材をAIが作成。過去の記録から次のテーマも提案します。
- 宿題クイズ:レッスン記録から宿題クイズを自動作成。問題文の難易度を「やさしい(ひらがな多め)/ふつう/むずかしい」から選べます。
プロンプト例の6・7・11・12でやっていたことを、生徒ごとの情報を踏まえてまとめて任せられるイメージです。
まとめ
日本語教師がChatGPTを教材作成に活用するコツは、「役割・生徒の情報・作ってほしいもの・条件・出力の形」をはっきり伝えることです。今回のプロンプト例を、自分の生徒に合わせて書き換えて使ってみてください。毎回の条件入力や記録の貼り付けまで省きたい方は、TutorHubの無料プラン(生徒3名まで、カード登録不要)で試してみてください。
