Preplyで日本語を教え始めると、多くの講師が料金設定で悩みます。「最初はいくらにすればいいのか」「いつ、どれくらい値上げすればいいのか」「値上げしたら生徒が離れてしまわないか」。考えるほど、決められなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
単価を上げていくための一般的な考え方は、オンライン日本語講師が、レッスン単価を上げていくための考え方で書きました。この記事ではそこから一歩進んで、Preply特有の「手数料の仕組み」を踏まえた具体的な料金設定の考え方と、Preplyで日本語を教えている筆者自身の段階的な値上げの実例を紹介します。
なお、手数料などの数字は執筆時点(2026年10月)で確認したものです。最新の情報は必ずPreplyの公式サイトで確認してください。また、記事中の金額はすべて手数料だけを考慮した単純な試算です。
まず押さえたい、Preplyの手数料の仕組み
Preplyで料金を考えるときに欠かせないのが、手数料の仕組みです。執筆時点では次のようになっています。
| 累計指導時間 | 手数料 |
|---|---|
| トライアルレッスン(新しい生徒との初回) | 100% |
| 0〜20時間 | 33% |
| 21〜50時間 | 28% |
| 51〜200時間 | 25% |
| 201〜400時間 | 22% |
| 400時間超 | 18% |
料金設定に関係するポイントは3つです。
- トライアルの収入はゼロ:トライアルは手数料100%なので、料金をいくらにしても講師の手取りは発生しません。
- 累計時間はプラットフォーム全体の合計:生徒ごとではなく、すべての生徒とのレッスン時間の合計で段階が決まります。
- トライアルも累計時間に含まれる:トライアルを重ねることも、手数料の段階を進めることにつながります。
筆者も、指導時間が50時間を超えたところで手数料が25%の段階に入りました。
単価と手数料の段階で、手取りはどう変わる?
同じ単価でも、手数料の段階によって手取りは変わります。1レッスンあたりの手取りを試算すると、次のようになります。
| 単価 | 33% | 28% | 25% | 22% | 18% |
|---|---|---|---|---|---|
| $8 | $5.36 | $5.76 | $6.00 | $6.24 | $6.56 |
| $10 | $6.70 | $7.20 | $7.50 | $7.80 | $8.20 |
| $12 | $8.04 | $8.64 | $9.00 | $9.36 | $9.84 |
| $25 | $16.75 | $18.00 | $18.75 | $19.50 | $20.50 |
この表から分かるのは、手数料の段階が下がるのを待つより、単価を上げるほうが手取りへの影響が大きいということです。
たとえば$10のレッスンで、手数料が28%から25%に下がると、手取りは$7.20から$7.50へ、$0.30増えます。一方、手数料25%のまま単価を$10から$12に上げると、手取りは$7.50から$9.00へ、$1.50増えます。
手数料の段階は時間を積み上げれば自然に進みますが、単価は自分で決められます。だからこそ、値上げのタイミングを意識しておくことが大切です。
最初の料金はどう決める?
始めたばかりの時期は、レビューも実績もありません。生徒からすると、初対面の講師に高い金額を払うのはハードルが高いものです。最初は相場より低めの単価から始めて、レッスンの実績とレビューを積み上げていくのが堅実です。
相場は時期や対象によって変わるので、Preplyで日本語講師を検索し、自分と近い条件(経験、対象、レビュー数など)の講師がいくらに設定しているかを見てみるのがおすすめです。
ただし、低単価は「ずっと続けるもの」ではなく、「実績を積むための期間」と考えましょう。最初から値上げの予定を決めておくと、ずるずると低単価のまま続けてしまうのを防げます。
筆者の場合:単価$25で、3か月目に月8万円
参考までに、筆者の例を紹介します。筆者のPreplyでの今の単価は、1レッスン$25です。教え始めて3か月目には、月8万円を稼ぐことができました。
上の試算表に当てはめると、手数料25%の段階で$25のレッスン1回あたりの手取りは$18.75(試算)。$10〜$12の価格帯と比べると、同じ1レッスンでも手取りは2倍以上になります。生徒の数やレッスンの回数を無理に増やさなくても、単価によって収入は大きく変わるということです。
値上げをするときは、1回あたりの上げ幅を小さく刻むと、生徒にとっても講師にとっても心理的な負担が小さくなります。「次はいつ、いくらにするか」をあらかじめ決めておくと、迷う時間も減ります。
なお、これはあくまで筆者の一例で、誰にでも同じ結果が出るとは限りません。ご自身の予約状況やレビューの集まり方を見ながら調整してください。
値上げのタイミングを判断する目安
「そろそろ上げていいのかな」と迷ったときは、次のような目安で考えてみてください。経験に基づく一つの考え方です。
- 空き時間が埋まってきた:希望する時間帯の予約が入りやすくなってきたら、需要に対して供給が足りなくなってきたサインです。
- レビューが増えてきた:特に「自分に合わせてくれる」「毎回のフィードバックが丁寧」など、レッスンの中身に触れたレビューがあると、値上げ後も選ばれやすくなります。
- 継続してくれる生徒が増えてきた:トライアル後に継続してくれる生徒が多いのは、レッスンの価値が伝わっている証拠です。
- あらかじめ決めた時期が来た:迷ったら、事前に決めた計画どおりに上げるのも一つの方法です。
値上げ前に確認・準備しておきたいこと
既存の生徒への適用を確認する
値上げしたときに、既存の生徒の料金がどう扱われるかは、プラットフォームの仕様によります。仕様は変わることもあるので、値上げ前にPreplyの公式ヘルプで最新の扱いを確認しておきましょう。
生徒に事前に伝える
既存の生徒にも料金が変わる場合は、Preplyのメッセージ機能などを使って、事前に一言伝えておくと丁寧です。
例:いつもレッスンありがとうございます。【月】から、レッスン料金を【新しい料金】に変更する予定です。これからも、あなたの目標に合わせたレッスンと毎回のフィードバックを続けていきます。引き続きよろしくお願いします。
英語ならこんな形です。
Example: Thank you for always joining my lessons. From [month], my lesson price will change to [new price]. I'll continue to prepare lessons tailored to your goals and give you feedback after every lesson. I look forward to our next lesson!
値上げに見合う「価値」を見える形にする
値上げを納得してもらうために一番効くのは、言葉よりも日々のレッスン体験です。毎回の記録やフィードバック、生徒に合わせた教材など、「この先生は自分のために準備してくれている」と感じてもらえる積み重ねが、値上げ後も選ばれ続ける土台になります。
プラットフォーム選びの段階から手数料を比べたい方は、Preplyとitalki、どっちで教える?オンライン日本語教師目線で手数料と向き不向きを比較も参考にしてください。
TutorHubなら、値上げを支える「価値」を無理なく積み上げられる
ここで壁になるのが、時間の問題です。単価がまだ低い時期に、生徒一人ひとりの記録を書き、専用の教材を作り、宿題を用意していると、時給換算では割に合わなくなってしまいます。筆者自身、Notionでの進捗管理、レッスン後の要約と単語整理、生徒ごとにHTMLで作ってPDFにする教材づくりに、多くの時間を使っていました。
TutorHubは、この講師側の作業を軽くするために作ったツールです。
- AI学習記録:レッスンのチャットログやメモを貼り付けると、その生徒の過去の記録を踏まえて「今回の要約」「生徒へのフィードバック」「次回に向けて」をAIが作成します。学んだ単語も自動抽出されます。
- オーダーメイド教材:生徒のレベル・目的・テーマを選ぶと、その生徒専用の教材をAIが作成します。過去の記録から次のテーマも提案してくれます。
- 宿題クイズ:レッスン記録から宿題クイズを自動作成。難易度を選べて、生徒はスマホで解答できます。
- 統計の自動集計:生徒ごとの総レッスン数や学んだ単語数が自動で集計されるので、「どれくらい一緒に学んできたか」を振り返るのにも使えます。
予約・決済・通話は今まで通りPreplyを使い、記録や教材の下書きをTutorHubで作るイメージです。生徒への共有は、プラットフォームの規約の範囲で行ってください。なお、TutorHubには生徒からお金を受け取る機能はありません。あくまで講師が自分の仕事のために使う道具です。
まとめ
Preplyの料金設定では、累計時間で下がる手数料の仕組みを踏まえつつも、「手数料が下がるのを待つより、単価を上げるほうが手取りへの影響が大きい」ことを意識しておくのがポイントです。最初は低めの単価で実績を積み、あらかじめ決めた計画で段階的に上げていく。その値上げを支える丁寧なレッスンを無理なく続けたい方は、TutorHubの無料プランで試してみてください。
