「日本語を話せるようになりたい」を、レッスンで追える目標に変える。オンライン日本語講師のための学習目標の立て方
レッスン設計2026年10月24日 ・ 6分で読めます

「日本語を話せるようになりたい」を、レッスンで追える目標に変える。オンライン日本語講師のための学習目標の立て方

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「日本語を話せるようになりたいです」

体験レッスンで目標を聞くと、多くの生徒がこう答えます。

もちろん大事な目標です。でも、このままレッスンを始めると、だんだん困ることが出てきます。今日は何を教えればいいのか。どこまでできたら「話せる」なのか。生徒も講師も、ゴールが見えないまま進むことになります。

この記事では、ふわっとした目標を、レッスンで追える具体的な目標に変える方法をまとめます。

ふわっとした目標を、レッスンで追える目標に変える

目標がふわっとしたままだと、起きること

毎回、何を教えるか迷う

「話せるようになりたい」だけでは、旅行の会話を練習すればいいのか、敬語を練習すればいいのか決められません。結局、教科書の次のページに進むだけになりがちです。

生徒が上達を実感しにくい

ゴールがはっきりしないと、生徒は「前よりできるようになった」と感じにくくなります。中級あたりで「このまま続けて意味があるのかな」と不安になる生徒も少なくありません。上達の伝え方は 生徒の成長を説明する方法 にまとめています。

続ける理由が弱くなる

目標が具体的だと、「あと少しで、ここまで行ける」が見えます。ふわっとしていると、忙しくなったときに、レッスンを休む理由のほうが強くなってしまいます。

目標を具体的にする、4つの質問

ふわっとした目標は、次の4つを聞くと具体的になります。

目標を具体的にする4つの質問:いつまでに・どんな場面で・誰と・何ができたら
  1. いつまでに?(旅行の日、試験の日、面接の時期)
  2. どんな場面で?(レストラン、家族との電話、会議)
  3. 誰と?(店員さん、祖父母、上司)
  4. 何ができたら成功?(注文できる、近況を5分話せる、自己PRを1分で言える)

たとえば、こう変わります。

最初の目標 4つの質問のあと
日本語を話せるようになりたい 3月の日本旅行で、レストランの注文と道の質問が自分でできる
家族と話したい 日本の祖母と、電話で近況を5分話せる
日本の会社で働きたい 来年の面接で、自己PRと志望動機を敬語で1分ずつ話せる

ポイントは、「何ができたら成功か」を、生徒が自分で確かめられる形にすることです。「話せる」ではなく「注文できる」「5分話せる」なら、達成したかどうかが生徒にもわかります。

大きな目標を、1か月とレッスンに分ける

具体的な目標ができたら、それを小さく分けます。

大きな目標を、1か月の目標と今日のレッスンに分ける

大きな目標:3月の日本旅行で、レストランの注文と道の質問が自分でできる この1か月:数字・時間・「〜をください」「〜はどこですか」が使える 今日のレッスン:数字と値段の言い方。メニューを見て注文するロールプレイ

こうしておくと、レッスンの最初に「今日はこれをやります。旅行のこの場面で使えます」と言えます。生徒にとっても、今日の練習が目標のどこにつながっているかがわかります。

1か月の目標は、3〜4個までにしておくのがおすすめです。多すぎると、どれも中途半端になります。

目標は「書いて、見返す」

立てた目標は、書いて残しておきます。おすすめは、レッスン記録の一番上に置くことです。

  • レッスン記録の最初に「大きな目標」と「この1か月の目標」を書く
  • 毎回の記録で、「できたこと」が目標のどれに近づいたかを書く
  • 1か月ごとに見返して、目標を更新する

レッスン記録の項目は レッスン記録テンプレート にまとめています。目標の欄を足すだけで、使い方が変わります。

目標を見直すタイミング

  • 1か月たったとき:できたことを一緒に確認して、次の1か月の目標を決める
  • 生徒の予定が変わったとき:旅行の日が決まった、転職が決まった、など
  • 目標が簡単すぎる・難しすぎるとき:3回続けて全部できている、または全然進まない

見直すときは、講師が一人で決めずに、生徒と一緒に決めるのが大事です。自分で決めた目標のほうが、続けやすくなります。

そのまま使える、ヒアリングの質問

体験レッスンや月1回の見直しで、そのまま使える質問です。初級の生徒には英語で聞いても大丈夫です。

聞きたいこと 日本語 English
なぜ学ぶか どうして日本語を勉強していますか? Why are you learning Japanese?
いつまでに いつまでに、どうなっていたいですか? By when would you like to reach your goal?
どんな場面で 日本語をどんな場面で使いたいですか? In what situations do you want to use Japanese?
誰と 誰と日本語で話したいですか? Who do you want to talk to in Japanese?
成功の形 何ができたら「できた!」と思いますか? What would make you feel "I did it"?
今の困りごと 今、一番困っていることは何ですか? What is the hardest part for you right now?

答えを聞いたら、最後に講師が1文にまとめて、生徒に確認します。

「つまり、3月の旅行までに、レストランで注文できて、道を聞けるようになりたい、ということですね?」

ここで生徒が「そうです!」と言えたら、目標はできあがりです。体験レッスン全体の流れは 体験レッスンの時間配分と流れ を参考にしてください。

TutorHubなら、目標が生徒ページと教材につながる

TutorHub:生徒ごとの目標と学習統計

私が作っている TutorHub では、生徒ごとに「学習の目標」を登録できます。登録した目標は、いくつかの場所で使われます。

  • 生徒の画面:目標と、総レッスン数・学んだ単語の数などの学習統計が並んで表示されます
  • AIで作るもの:フィードバック、教材、次のテーマの提案、宿題をAIで作るとき、生徒の目標をふまえて内容を組み立てます
  • 生徒用のページ:ログイン不要の生徒専用ページにも目標が表示されるので、生徒も自分の目標をいつでも見返せます

目標を書いておくだけで、レッスンの記録や教材が、自然とその目標に向かってつながっていきます。

TutorHubは無料プラン(生徒3名まで、カード登録不要)で試せます。まずは、今いちばん目標がふわっとしている生徒を1人登録して、4つの質問で目標を書き直してみてください。

まとめ

  • 「日本語を話せるようになりたい」のままだと、教える内容に迷い、生徒も上達を実感しにくい
  • 「いつまでに・どんな場面で・誰と・何ができたら」の4つで、目標は具体的になる
  • 大きな目標を「この1か月」と「今日のレッスン」に分けると、毎回のレッスンが目標につながる
  • 目標は書いて残し、1か月ごとに生徒と一緒に見直す
  • ヒアリングの最後に、講師が1文にまとめて確認する

目標がはっきりすると、講師は迷わず教えられて、生徒は迷わず続けられます。

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