カナダに留学すると、まず驚くのが生活費です。家賃も食費も高く、仕送りや貯金がどんどん減っていきます。「何か収入がほしい。でも学校の課題もあるし、シフトに縛られるアルバイトは続けられるか不安」。そんな留学生にとって、候補の1つになるのがオンラインで日本語を教える仕事です。
私もカナダに住みながらオンラインで日本語を教えていて、毎月の家賃はこの収入でまかなっています。レッスンでは英語で説明する場面も多く、教えるうちに自分の英語も鍛えられていきます。この記事では、カナダ留学中の副業としてオンライン日本語講師を考えている方に向けて、ビザとの関係、どれくらい稼げるか、英語への効果、始め方、勉強との両立のしかたをまとめます。
※この記事は、執筆時点(2026年10月)にカナダ政府などが公開している情報をもとにした一般的な解説で、移民・税務の専門家としての助言ではありません。自分の状況に当てはまるかは、必ず最新の公式情報と、学校の留学生窓口で確認してください。
留学生の副業にオンライン講師が向いている理由
- 場所を選ばない:寮の部屋や図書館の個室から教えられます。通勤時間はゼロです
- 時間を自分で決められる:授業や課題の予定に合わせて、教える枠を自分で開け閉めできます
- 日本語ネイティブであることがそのまま強みになる:特別な資格がなくても始められます(資格なし・未経験でもなれる?)
- 生徒が世界中にいる:時差を使って、授業のない朝や夜にレッスンを入れられます
- 英語の力もつく:説明や雑談、生徒とのやり取りの多くが英語になります(後で詳しく紹介します)
ビザとの関係:「カナダ国外の仕事」として考える
カナダの学生ビザ(Study Permit)では、条件を満たせば学外で働けますが、学期中は週24時間までという上限があります。気になるのは、オンライン講師の時間がこの24時間に含まれるかどうかです。
カナダ政府の学外就労のページでは、カナダ国外の雇用主のためにリモートで働く場合、週24時間の上限には含まれないと説明されています(学生ビザの条件を守っていることが前提です)。オンラインの日本語講師は、海外のプラットフォームを通じて、カナダ国外にいる生徒に教える仕事なので、この「国外向けの仕事」として考えることができます。
ただし、押さえておきたい点が3つあります。
- カナダ在住の生徒は分けて考える:上限の対象になるのは、カナダ国内での、カナダの雇用主のための仕事です。カナダに住んでいる生徒を教えると話が変わる可能性があるので、迷うならカナダ在住の生徒は受けないか、24時間の中で数えるのが安全です
- 個人で受ける仕事(自営業)の扱いは明記されていない:公式ページは「雇用主」のケースを説明していて、プラットフォームで個人として教える場合をそのまま書いているわけではありません。始める前に、学校の留学生窓口か登録された移民コンサルタント(RCIC)に一度確認しておくと安心です
- 記録は残しておく:いつ、どの国の生徒に、何時間教えたかを残しておくと、聞かれたときに説明できます
そしていちばん大事なのは、副業はあくまで学業が優先ということです。フルタイムの学生として在籍し続けることが、学生ビザの前提になっています。
どれくらい稼げる?
オンライン講師の収入は「単価 × レッスン数 − 手数料」で決まります。たとえばPreplyでは、手数料は累計の指導時間に応じて33%から18%まで下がっていきます(執筆時点)。
仮に単価$25、手数料25%の段階で、週10時間教えたとすると、
- 1時間あたりの手取り:$25 × 75% = $18.75
- 1か月(約4.3週):$18.75 × 10時間 × 4.3 ≒ $806
最初は単価を低めにして、レビューが集まってから上げていくのが一般的です。私の場合は、単価$25で3か月目に月8万円ほどになり、今は毎月の家賃をこの収入でまかなえています。カナダの家賃は高いですが、「家賃の分だけ」と目標を決めると、必要なレッスン数が逆算できて続けやすくなります。単価の決め方はPreplyの料金設定、収入の計算はオンライン日本語教師の収入はいくら?で詳しく紹介しています。
英語の力も身につく
留学中に副業をするなら、英語に触れる時間が増えるかどうかも大事です。オンラインの日本語講師は、思っている以上に英語を使う仕事です。
- 文法やニュアンスを英語で説明する:「〜てもいい」と「〜てもかまわない」の違いを、英語でどう説明するか。毎回のレッスンが、自分の言葉で説明する練習になります
- 世界中の生徒と英語で話す:レッスンの最初の雑談や、日本語で言えないところの補足は英語になることが多いです。いろいろな国のアクセントにも慣れていきます
- 予約やメッセージのやり取りも英語:生徒からの質問への返信、予約の調整など、短い英文を毎日書くことになります
学校の授業で必要な「自分の考えを英語で説明する力」は、こうした積み重ねで少しずつついていきます。ただ、レッスンの主役はあくまで日本語なので、英語に頼りすぎず、翻訳は日本語の補助にとどめるのがおすすめです。
留学生が始めるときの準備
機材と場所
ノートパソコン、マイクつきのイヤホン、安定したWi-Fiがあれば始められます。寮だと生活音が入りやすいので、図書館の個室やスタディルームを予約できるか確認しておきましょう。
時差を味方につける
カナダ西部(バンクーバーなど)なら、朝の時間はヨーロッパの夕方、夜の時間はアジアの朝にあたります。授業のない早朝や夜に枠を開ければ、学校の予定とぶつかりにくくなります。
プロフィールで「留学中」を強みにする
英語で説明できること、自分も外国語を学んでいる最中で学習者の気持ちが分かることは、そのままアピールになります。プロフィールの書き方はPreplyの日本語講師プロフィール、何を書く?にまとめています。
これから始める人へ:この順番で読めばOK
登録から最初の生徒が定着するまで、つまずきやすいところは別の記事で詳しく紹介しています。上から順に読めば、始めるまでの準備がひと通りそろいます。
- 何が必要?:オンライン日本語教師の始め方|なるには何が必要?(機材・環境・登録までの流れ)
- 資格はいる?:資格なし・未経験でもなれる?(資格の代わりに準備すること)
- どこで教える?:日本語教師のプラットフォーム比較(italki・Preply・Cafetalkの手数料と選び方)。2社を詳しく比べるならPreplyとitalki、どっちで教える?も
- プロフィールは?:Preplyの日本語講師プロフィール、何を書く?(自己紹介の例文・日本語と英語)
- 単価は?:Preplyの料金設定、日本語講師はいくらにする?(手数料のしくみと値上げの順番)
- 最初のレッスンは?:体験レッスン、25分と50分で何をするか(時間配分と、次につなげる進め方)
- 予約が入らないときは?:Preplyで予約が入らない日本語講師へ(見つけてもらう・選ばれる・続けてもらうのチェックリスト)
勉強と両立するコツ
- 教える枠を先に決める:「空いたら入れる」ではなく、「火・木の夜と土曜の朝だけ」のように決めて、その枠だけを予約可能にします
- 試験期間は早めに閉じる:学校のカレンダーで試験期間が分かった時点で、その週の枠を減らしておきます。直前に閉じると、入った予約は動かせません
- レッスン以外の作業を軽くする:教材の準備、記録、フィードバック、宿題。レッスン時間より、この「前後の作業」が勉強の時間を削っていきます
税金も忘れずに
カナダに住んでいる留学生は、一定の条件でカナダの税金の申告が必要になる場合があります。海外のプラットフォームから受け取った収入も対象になりうるので、月ごとの明細は必ず保存しておきましょう。日本に住民票を残しているかどうかでも、日本側の扱いが変わります。具体的な申告方法は、CRA(カナダ歳入庁)の案内や、学校で紹介される専門家に確認するのが確実です。
レッスン前後の作業は、TutorHubに任せる
留学中に教えるなら、限られた時間はレッスンと勉強に使いたいところです。それに、記録は教え始めた最初の生徒から残しておくと、生徒が増えたときにぐっと楽になります。TutorHubは、オンラインで日本語を教えている講師が、レッスン前後の作業を減らすために作ったツールです。
- 記録はチャットを貼るだけ:レッスン中のチャットやメモを貼ると、要約・生徒へのフィードバック・今日の単語をAIがまとめます。レッスンの日付つきで残るので、「いつ・誰に教えたか」の記録にもなります
- 教材と宿題もAIが下書き:生徒のレベルや目的に合わせた教材と、自動で答え合わせできる宿題クイズを作れます。生徒に渡す前には、必ず自分で内容を確認してください
- 生徒は専用ページで復習:ログイン不要の生徒専用ページで、記録・教材・宿題をまとめて見返せます。ボタンや説明には生徒の言語の訳もつきます
- 英語の言い回しの参考にもなる:フィードバックは生徒の言語に翻訳できます。英語の生徒なら、自分の書いたフィードバックが英語でどう表現されるかを見られるので、次に英語で説明するときの参考にもなります
教え始めの数人なら、TutorHubの無料プラン(生徒3名まで、カード登録不要)で十分に使えます。
まとめ
カナダ留学中の副業として、オンライン日本語講師は「場所を選ばず、時間を自分で決められて、日本語ネイティブであることが強みになる」仕事です。家賃をまかなうこともできますし、教えるたびに英語の力もついていきます。カナダ国外の生徒に教える仕事として考えれば、学期中の時間の上限とも付き合いやすくなります。
ただ、留学のいちばんの目的は勉強です。ビザの条件は始める前に一度確認して、教える枠を先に決め、レッスン前後の作業はできるだけ軽くする。そうすれば、生活費の足しにしながら、学業もきちんと続けられるはずです。
※ビザや税金のルールは変わることがあります。最新の情報は、カナダ政府の公式サイトと、在籍している学校の留学生窓口で確認してください。
参考




