「本業の収入だけだと少し心もとない。でも、副業に使えるのは平日の夜と週末くらい」。そんな会社員にとって、候補の1つになるのがオンラインで日本語を教える仕事です。
私もオンラインで日本語を教えていて、今は毎月の家賃をこの収入でまかなっています。この記事では、本業を続けながらオンライン日本語講師を始めたい人向けに、向いている理由、始める前に確認すること、どれくらい稼げるか、本業との両立のしかたをまとめます。
※税金や就業規則の話は、執筆時点(2026年10月)の一般的な情報で、税理士などの専門家としての助言ではありません。自分のケースは、国税庁の案内や税理士、勤務先の規則で確認してください。
会社員の副業にオンライン講師が向いている理由
- 家から、夜と週末だけでできる:通勤も移動もいりません。仕事から帰ってきて、そのまま1コマ教えられます
- 量を自分で決められる:教える枠は自分で開け閉めできるので、繁忙期は減らして、余裕のある月は増やせます
- 時差のおかげで、夜や早朝にも生徒がいる:日本の夜は、ヨーロッパのお昼。日本の早朝は、アメリカの夕方。本業の時間とぶつかりません
- 資格がなくても始められる:日本語ネイティブであることがそのまま強みになります(資格なし・未経験でもなれる?)
社会人経験が、そのまま「教える内容」になる
会社員がオンライン講師を始めるときの一番の強みは、実は日本語力より仕事の経験です。
日本で働きたい人、日本の会社とやり取りする人、日本企業の面接を受ける人。オンラインで日本語を学ぶ大人の生徒には、こういう目的の人が多くいます。敬語の使い分け、ビジネスメールの書き方、会議での言い回し、面接の受け答え。どれも、毎日会社で使っているものです。
「自分にとっては当たり前の仕事の日本語」が、生徒にとってはお金を払ってでも学びたい内容になります。ビジネス日本語や面接対策を得意分野としてプロフィールに書くと、学生講師とも差がつけやすくなります。教材の作り方は日本語教師の教材の作り方にまとめています。
始める前に確認すること
1. 会社の就業規則
まず、勤務先が副業を認めているか、届け出が必要かを就業規則で確認しましょう。認められていても、「同業や競合にあたる仕事はNG」「事前に申請が必要」などの条件がついていることがあります。
2. 税金(日本に住んでいる会社員の場合)
- 副業の所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は原則不要:ここでいう「所得」は、収入から必要な経費を引いた額です
- ただし、住民税の申告は必要:20万円以下のルールは所得税だけの話で、住民税にはありません。確定申告をしない場合は、住んでいる市区町村に申告します
- 20万円を超えたら確定申告:確定申告をすれば、住民税の申告もまとめて済みます
海外のプラットフォームからドルで受け取った報酬も、日本円に直して計算します。月ごとの明細は必ず保存しておきましょう。海外に住んでいる方は、住んでいる国の税金のルールに従うことになります。
3. 本業とのバランス
残業が多い時期、出張が続く時期は、思った以上に余裕がなくなります。最初から枠を詰め込まず、週に数コマから始めるのがおすすめです。
どれくらい稼げる?
オンライン講師の収入は「単価 × レッスン数 − 手数料」で決まります。たとえばPreplyでは、手数料は累計の指導時間に応じて33%から18%まで下がっていきます(執筆時点)。
仮に単価$25、手数料25%の段階で、平日の夜に1コマ × 4日、週末に4コマ(合わせて週8時間)教えたとすると、
- 1時間あたりの手取り:$25 × 75% = $18.75
- 1か月(約4.3週):$18.75 × 8時間 × 4.3 ≒ $645
最初は単価を低めにして、レビューが集まってから上げていくのが一般的です。私の場合は、単価$25で3か月目に月8万円ほどになり、今は毎月の家賃をこの収入でまかなえています。「家賃の分」「毎月の積立の分」のように目標を決めると、必要なレッスン数が逆算できて続けやすくなります。単価の決め方はPreplyの料金設定、収入の計算はオンライン日本語教師の収入はいくら?で詳しく紹介しています。
英語と説明力も身につく
オンラインの日本語講師は、思っている以上に英語を使う仕事です。
- 文法やニュアンスを英語で説明する:「〜てもいい」と「〜てもかまわない」の違いを、英語でどう説明するか。毎回のレッスンが、英語で説明する練習になります
- 世界中の生徒と英語で話す:レッスンの最初の雑談や、日本語で言えないところの補足は英語になることが多いです
- 予約やメッセージのやり取りも英語:生徒への返信や予約の調整で、短い英文を毎日書くことになります
それに、「相手のレベルに合わせて、分かりやすく説明する」力は、本業の会議や後輩への説明にもそのまま返ってきます。副業で身につけたことが本業に効く、というのも会社員ならではのメリットです。ただ、レッスンの主役はあくまで日本語なので、英語に頼りすぎないようにしましょう。
これから始める人へ:この順番で読めばOK
登録から最初の生徒が定着するまで、つまずきやすいところは別の記事で詳しく紹介しています。上から順に読めば、始めるまでの準備がひと通りそろいます。
- 何が必要?:オンライン日本語教師の始め方|なるには何が必要?(機材・環境・登録までの流れ)
- 資格はいる?:資格なし・未経験でもなれる?(資格の代わりに準備すること)
- どこで教える?:日本語教師のプラットフォーム比較(italki・Preply・Cafetalkの手数料と選び方)。2社を詳しく比べるならPreplyとitalki、どっちで教える?も
- プロフィールは?:Preplyの日本語講師プロフィール、何を書く?(自己紹介の例文・日本語と英語)
- 単価は?:Preplyの料金設定、日本語講師はいくらにする?(手数料のしくみと値上げの順番)
- 最初のレッスンは?:体験レッスン、25分と50分で何をするか(時間配分と、次につなげる進め方)
- 予約が入らないときは?:Preplyで予約が入らない日本語講師へ(見つけてもらう・選ばれる・続けてもらうのチェックリスト)
本業と両立するコツ
- 教える枠を固定する:「火・木の21時と、土曜の朝」のように決めて、その枠だけを予約可能にします。生徒にとっても、毎週同じ時間のほうが続けやすくなります
- 繁忙期は早めに閉じる:決算期や出張が分かった時点で、その週の枠を減らしておきます。直前に閉じると、入った予約は動かせません
- 疲れている日は短いレッスンにする:平日の夜は25分レッスン中心にすると、集中力が持ちます
- レッスン以外の作業を軽くする:教材の準備、記録、フィードバック、宿題。本業のあとに一番しんどいのは、レッスンそのものより、この「前後の作業」です
レッスン前後の作業は、TutorHubに任せる
仕事のあとの1コマが終わると、正直、記録を書く気力は残っていないものです。でも、記録は教え始めた最初の生徒から残しておくと、生徒が増えたときにぐっと楽になります。TutorHubは、オンラインで日本語を教えている講師が、レッスン前後の作業を減らすために作ったツールです。
- 記録はチャットを貼るだけ:レッスン中のチャットやメモを貼ると、要約・生徒へのフィードバック・今日の単語をAIがまとめます。疲れた夜でも数分で終わります
- 教材と宿題もAIが下書き:ビジネス日本語や面接対策など、生徒の目的に合わせた教材と、自動で答え合わせできる宿題クイズを作れます。生徒に渡す前には、必ず自分で内容を確認してください
- 生徒は専用ページで復習:ログイン不要の生徒専用ページで、記録・教材・宿題をまとめて見返せます。ボタンや説明には生徒の言語の訳もつきます
- 英語の言い回しの参考にもなる:フィードバックは生徒の言語に翻訳できます。自分の書いたフィードバックが英語でどう表現されるかを見られるので、次に英語で説明するときの参考になります
教え始めの数人なら、TutorHubの無料プラン(生徒3名まで、カード登録不要)で十分に使えます。
まとめ
会社員の副業として、オンライン日本語講師は「家から、夜と週末だけでできて、仕事の経験がそのまま教える内容になる」仕事です。収入だけでなく、英語や説明する力も身について、それが本業にも返ってきます。
始める前に就業規則と税金のルールを確認して、教える枠を固定し、レッスン前後の作業はできるだけ軽くする。そうすれば、本業を続けながら、無理なく長く続けられるはずです。
※税金や就業規則のルールは、人によって異なります。最新の情報は、国税庁の案内や税理士、勤務先の規則で確認してください。
参考




